1982年
歌:前川清
作詞:糸井重里
作曲:坂本龍一
「雪列車」を解説
匂うように笑うように雪が降る
白い景色逃げるように汽車は走る
サヨナラが夢ならば ひき返すけど
あの頃が夢ならばこのまま行く
あたたかいものを何かください
こころもからだも寒すぎるのでどうぞ
少しばかり離れた席 恋人たち
無邪気色のひざかけをかけて眠る
なにげなく髪を切れた幸せな日は
同じように雪の日であなたといた
あたたかいひとにもたれていたい
ひとりでいたけど冷えてきたのでどうか
サヨナラが夢ならばひき返すけど
あの頃が夢ならばこのまま行く
あたたかいものを何かください
こころもからだも寒すぎるのでどうぞ
前川さんの歌も素敵だし、教授の曲もよてもいい。
でも、やっぱり、一番すばらしいのは、
この糸井さんの詩だと思う。
僕自身、リアルタイムで聴いたはずなのに、
この詩の意味が、やっと最近理解できた気がする。
「匂うように笑うように雪が降る」
匂うように....笑うように....降る雪って?
おそらく......
阿久悠さんの「津軽海峡冬景色」
の「上野発の夜行列車降りたときから.....」
を彷彿させるレトリックっで......
恋に破れたか、離婚をしたかという女性が、上野発の夜行列車でふるさとの北海道に帰る
青森駅はまだ薄暗く、夜行列車を降りた人が言葉なく青函連絡船に急いでいる。
というストーリーが、この一行で展開する。
のに対して、
「白い景色逃げるように汽車は走る」
男(だと思う)が、女から逃げるように、汽車に乗り、
回想、後悔をするストーリー
「サヨナラが夢ならば ひき返すけど
あの頃が夢ならばこのまま行く」
の部分は、一休さんの頓智みたい。
サヨナラ=この失恋もしく離別が、夢=嘘=まぼろし
つまり、撤回可能ならば、引き返す。
あの頃=楽しかった日々が、夢=過去になる
つまり、離別を撤回不可能なら、このまま行く。
これは、この男(であろう)の逃げている最中の後悔の念なのか?
この物語のイニシアチブは、この男(?)にあるのか?
女性側にあるのか?
わからない???
それから......
「なにげなく髪を切れた幸せな日」って。推測が難しい。
ただ....
「あたたかいものを何かください」っていいよね。
「こころもからだも寒すぎるのでどうぞ」
これも悲壮感満載でいい。
youtube動画はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=wpPkYZrYgLg